鈴林です。
ジャンプ+で読み切りを読んでから忘れなかった。
アニメ映画化すると聞いて「色々大丈夫!?」とちょっと思ったけど、観終わったら「アニメ映画化ありがとう!」って感じ。
面白かった! 泣いた!
55分という短い映画なのも見やすくて良い。
たぶんだけど、この映画はアマゾンプライムで配信されそう…。
ルックバック
京本よりも絵が上手くなりたい
ジャンプ+で読んだことはあったけど、単行本は持ってなくて中身はなんとなく覚えてる程度で観た。
漫画の内容に沿いつつも、原作を壊さず膨らませて且つずっと面白かった。
声をあてている人たちのほとんどが声優じゃないの、とても雰囲気が出ていて良い!
「こういう話し方の小学生いそう」とか
「先生ずっと同じこと言ってるw でもそういうもんだよな」とか
より映画の中のことをリアルに感じることができた。
実際ちゃんと声優が喋ってるのは、藤野アユムが描いた4コマの男女だけだったっぽい。(他にも声優さんいたらごめん)
誰か死んじゃった展開になったような…
ってのは覚えてた。
そして観ていくうちに「京本か…」と気づいた。
藤野が京本の絵を見て、隣の席の男子に「こうやって比べて見ると藤野の絵も普通だよな」と言われて悔しくて始めた絵の勉強…
あれだけのことを継続してできるのが本当にすごいと思った。
「悔しい」という意地だけでできることじゃなくて、描くことが好きだから、というのが絶対に根底にあったはずだけど藤野自身は「描くのが好き」とか特に気にして無さそうなのがあたしは好き。
自分の漫画と京本の絵が並べられている学年新聞をふと見て、絵を見比べて「やーめた」ってなるのもリアルさを感じる。
藤本タツキの描く作品って人間の心の動きがすごいリアルに感じられるんだよね。
そういうのもアニメ映画になったことで消えてない。
京本の家に行って、4コマを描いて、京本が「藤野先生」って言って走ってきて「ファンです!!」ってこれまでの漫画で好きだったところとか藤野の漫画の素晴らしいところをたくさん話してくれて…
藤野が「今は作品考えてるけど?」って嘘つきだすところも……リアル!!!w
わかるよ!! 嬉しいし言いたいよな!!
漫画やめたなんて言いたくないよあそこは!!!
京本の部屋の前に積まれたスケッチブックを見て「あたしより描いてる」って思って、あれすらも自分にダメージ食らっただろうけど
そんな京本が「自分のファン」って嬉しいよね。
藤野と京本がこうやって話して以降、ひたすら絵に、漫画に打ち込み続けるシーンが続くのも気持ちいい。
漫画を描く理由
藤野と京本2人で一緒に漫画を描き始めて、賞を取り、読み切りをたくさんジャンプに載せて…これから連載だ! って時に京本が「美大に行きたい」ってなるのは藤野にとってはつらいよね。
別に京本のことを子分と思ってるわけでもないだろうけど、ああやって強く見せるように出てなんとかして京本と一緒に連載したかったんだよね。わかる。
京本が「絵がもっと上手くなりたい」と考えるのは、結局藤野のためなのかもしれないけど…でも藤野は美大より自分を選んで欲しかったよね…。
回想の中で「漫画なんて1日中描いてても終わらないし、描かない方が良いよ。読むだけにした方が良い。」って藤野が言ってて…わかるなぁって思ったわ。
「好きなこと」だからって「めんどくさい」はあるんだよね。
そりゃすぐに完成した方が嬉しいし楽だし、自分でも嬉しい。
京本の「じゃあなんで藤野ちゃんは漫画描いてるの?」に対しての答えはなかったけど、答えは…「描きたいから」とかなんじゃないかなぁ…。
京本が美大、藤野は漫画家…と時間が進むかと思いきや、ある日突然変な奴が美大に乗り込んで人を殺しちゃう…という終わりが悲しいよ。
藤野もそりゃ…連載どころじゃないよ。
家族より時間を過ごした相手かもしれないのに。
2人で一緒に漫画を描いていた、楽しかった時の回想悲しかった。
藤野が「あたしのせいで京本死んだんだ」と考えるのも悲しかった。
悪いのは犯人だけど、そう思ってしまいたくなるくらいに…つらかったんだな。
別の世界…というかifの世界では、京本と藤野は一緒に漫画を作ってなくて…でも京本は美大に進んだ世界。
殺されそうだった京本を助ける藤野…という感じで学年新聞で一緒に漫画を載せていた2人が出会って、京本が死ななかったifは嬉しかったけど…
京本が死んでしまった世界の藤野に「京本が死ななかった世界」の京本が描いた4コマが届く展開好き。
京本の部屋には藤野のサイン入りの半纏飾られてて、藤野の漫画を応援するためのハガキが準備されてて…きっと毎週送ってたんだろうな。
京本の部屋に入って、4コマを受け取って…藤野が漫画を描き続けることにしたラストはとてもきれいだった。
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